
考えやすい環境って作れるの?「考える」をマネジメントする

こんにちは、デザイナーのタカハマです。デザインに対する”感度”を高めるため、社内の有志と「デザインのアンテナ」という活動をしております。2回目となる今回は「費用対効果を高めるデザインの知恵」を探してみました!
デザインに対する”感度”を鍛えるべく「日々の生活の中から、世の中の創意工夫を発見する」活動です!
具体的に次のような方法で進めます。
普段の生活の中からデザインの工夫を”発見する体験“を味わってもらうため、検索などで簡単に調べることは禁止としました!(発見後の深堀調査はOK)
そして、2回目のテーマはこちらです!
コストを考慮しない解決策は机上の空論であり、優れたデザインにはコストを抑える工夫が散りばめられているはず!
身の回りのモノから、作り手たちのデザインの知恵を学んでみよう!
という意図のテーマです。
では、「デザインのアンテナ」でキャッチしたデザイン事例をご紹介します。
少しのくぼみを加えるだけの小さな変化ですが、見た人の想像力を大きく刺激する画期的なアイデアですね。「この穴は何だろう?」と考えさせることでユーザーの行動を促します。「穴があるとそこにモノを入れたくなる」という人間の心理をうまく利用していますね。書いてるそばから卵を落としたラーメンを食べたくなりました。
視認性や生産性の確保以外にも、曲げることによる強度アップの効果もありそうです。日本全国くまなく設置されるものですから、コスト面において、かなりの試行錯誤がなされたデザインであることが想像できます。
シンプルな形状で、自立し、重ねて持ち運べ、カスタムできて、安価。素晴らしい機能美です。物理的には素通りできるのに、精神的に従わざる負えない謎の力も持っています。道路の白線なども同様ですが使用時のルール含め社会に浸透しており、社会性を内包したデザインとも言えそうです。
少しでもコストと手間を抑えて配送できないか…、と頭をひねった結果「封筒を使うのやめよう」という発想に行き着いたのでしょうか。一見単純な話のようにも思えますが、それまであたり前だったことを疑うのは難しいことですよね。
通常の映画館よりも映像・音質・座り心地などで劣る面もあるとは思いますが、それとは別の付加価値を提供している事例です。普段とのギャップがよりいっそう魅力を高めるのかもしれません。こちらも「映画上映には映画館が必要」という考えを疑って実現したアイデアですね。
メイン部分を共通化することでコストを抑え、少しの差別化でコレクション性を高めている事例です。共通化はコストカットだけでなく、カタチが揃うことによる見た目の気持ちよさにもつながります。一度に全てを発売しないことで、少しづつ集めていく楽しさまで提供しています。
商品の中身そのものを変えなくても「今が買うべき時である」という、特別感を持たせることができる手法です。いつもと同じ味でもパッケージが変わることで、新鮮な気持ちで楽しめます。商品開発のサイクルが長い商品などで有効な施策となりそうです。
こちらも「共通化と少しの差別化」で商品価値を高めています。こちらの差別化で得られる効果は「コレクション性」ではなくて「ランダム性」となりますね。テキストが「大吉」「大凶」と一文字違うだけで価値が大きく変わるという点も面白いです。
単純にコストを抑えるだけではなく、メリットにまで昇華させている点が素晴らしいです。また、単行本化の際には上質な紙質に変わることで、新たな気持ちで読み直せるのも嬉しいところです。
余剰スペースを利用することでレシートを渡すだけでクーポンを同時に配れるスマートなアイデアです。さらにレシートをきちんと受け取る人はお金の管理や節約に関心のある可能性が高いため、クーポンを比較的喜んでもらいやすいというのもポイントですね。
手書きPOPは紙による「販売員の代替」と考えられます。推薦文・口コミ・批評・キャッチコピーなどの売り文句を販売員の代わりにPOPが呼びかけてくれます。POPのテイストが揃っているお店ではそれ自体がブランディングともなるので、とても費用対効果の高い施策ではないでしょうか。
どのアイデアからも「少しでも安く」「少しでも高い価値を」「少しでも多くの人に」という作り手たちの知恵と情熱が感じられました。自分たちが作り手の立場で関わっているものに対しては、次のような切り口で頭を捻れば良い結果につながるかもしれません。
それではまた次回。よい発見を!
デザインの面白さを分かりやすく伝えることをテーマとしています。
趣味はドライブとツーリングと買い物。
本気の買い物は仕事に役立つという信念で散財を楽しんでいます。