
考えやすい環境って作れるの?「考える」をマネジメントする

「そのOLのピクト、女性にしては肩幅広すぎない?」 そんな話を隣のデザイナーとしていたら、ピクトグラムの「男女差」の要因が気になってきたので、実際に検証してみました。みなさんは「男女差」って何を基準に判断してますか?
男女のピクトグラムと聞いて、誰もが真っ先に思いつくのはトイレのピクトグラムではないでしょうか。
早速、弊社のトイレをチェックすると…。
形状は◯と△の組み合わせで表現され、男性は青色、女性は赤色という配色です。
配色を除けば、形状としては肩幅だけで男女の違いを表現しています。
つまり、男女差を表現する上で「肩幅」は効果的ということでしょうか。
冒頭の「女性にしては肩幅広すぎない?」という指摘はあながち間違いではないかもしれません。
ここでさらに気になるポイントが
ということで、形状と配色の組み合わせ違いや、「ハット」や「おさげ」などの男女差を表すモチーフを追加してピクトグラムを作成しました。
これらのピクトグラムが、トイレのピクトグラムとしてどの程度機能するのか、男女10名ずつ計20名を集めてアンケートをとりました。
アンケート用紙の設問は以下の通りです。
今回は並べての比較ではなく、一つしか目に入らない場合を想定して答えてもらいました。
(フロア別でトイレが男女分かれている場合もありますからね)
ポイント制でNo.1~63のピクトグラムをそれぞれ集計します。
結果は次のようになりました。
半数が入ると答えた15ptを基準に判断すると
この結果からよみとれるのは「モチーフ」>「配色」>「形状(肩幅)」の順で影響力があるということ。
肩幅にも男女差を分ける効果は見られるのですが、モチーフや配色ほどの影響力は持っていませんでした。
なお今回のアンケートに協力してくれた男性陣のなんと適当なことか…。
弊社トイレのピクトグラムだと、女子トイレに入ってしまう人間が二人もいました…。
(さすがに女性で逆のケースはないようでした。)
男性と比べると女性の方が形状(肩幅)まで注意深く観察していることが伺えます。
トイレの看板であれば表現の制限は少ないため「モチーフ」も「配色」も「形状(肩幅)」も、すべて男女差をつければ、よりわかりやすいピクトグラムになりますが、デバイスによっては、モチーフ差を表現するのが難しいサイズだったり、単色しか使用できなかったりします。
非言語で内容を直感的に伝えられるピクトグラムは「デバイスの省スペース化」や「アプリのグローバル化」傾向が見られる昨今、ますます重要性が増していくジャンルだと考えられますので、今後もピクトグラム表現の特徴は注意深く追いかけていきたいものです。
デザインの面白さを分かりやすく伝えることをテーマとしています。
趣味はドライブとツーリングと買い物。
本気の買い物は仕事に役立つという信念で散財を楽しんでいます。