「前へ」「次へ」はブログ記事ページによくあるナビゲーションですが、皆さんはどちらが新しい記事だと思いますか?
下の画像を見てください。
「前」?「次」?ブログ記事において頻繁に使われている表現なので、気に留めないかもしれません。しかし実は意味が伝わりにくい、曖昧な表現である事に気づきます。
適切なナビゲーションのワーディングとは?
CMSを利用したサイトを設計する際、ナビゲーションなど動的に生成されるモジュールは、ワイヤーフレームやデザインの段階では、ユーザー体験が見えにくい事があります。
記事の新しい・古いを表すナビゲーション(ページング)には、世間の各ブログサービス毎でも様々なルールが存在し、明確な答えがあるわけではありません。
「判りやすさ」「使いやすさ」については、個人の感覚に沿う部分がある事もまた事実です。
そこで今回、数々のブログサイトのページングのうち、「新しいとも古いとも取れる、曖昧な意味を持つ言葉の組み合わせ」をいくつかピックアップして選択形式のアンケートを実施し、個人個人の捉え方の違いについて調査してみました。
1 <前へ 次へ>
2 <次へ 前へ>
3 <戻る 進む>
4 <進む 戻る>
5 <以前の記事へ 以後の記事へ>
6 <以後の記事へ 以前の記事へ>
7 その他(言葉の組み合わせを記載下さい)
回答:
理由:
アンケート結果
順位 | ページング | 割合 |
---|---|---|
1 | 1<前へ 次へ> | 32% |
2 | 7その他(言葉の組み合わせを記載下さい) | 28% |
3 | 3<戻る 進む> | 10% |
4 | 5<以前の記事へ 以後の記事へ> | 10% |
5 | 6<以後の記事へ 以前の記事へ> | 10% |
6 | 2<次へ 前へ> | 5% |
7 | 4<進む 戻る> | 5% |
No.1 が1番多く、次にNo.7(その他)が続きます。
No.7(その他)で記入された内容は以下のようなものでした。
- 新しい記事へ、古い記事へ
- 古い記事へ、新しい記事へ
- 一つ古い記事へ 一つ新しい記事へ
- 前の記事へ 次の記事へ
アンケートでは予想以上に個人個人の感覚の違いが見受けられました。
その中で、何を理由に「しっくりくる」と判断したのかについては、「ワーディング」「習慣」という2つのキーワードが見えてきました。
「ワーディング」で判断
下記の選択理由からは、それぞれ選んだ答えは違っても、意味があいまいな選択肢は避けなんの言葉が使われているかを基準に選択しているのがわかります。
- 【5を選択】記事を移動するということなので「以前の記事・以後の記事」といった、「記事」と明記しているワーディングが最もわかりやすい。
- 【1を選択】「以後の記事へ」はまだ投稿されていない未来の記事を連想させるので避けた。
- 【7「<新しい記事へ 古い記事へ>」を記入】どちらが記事としては新しく、古いのかがわかる判断材料が欲しい。
- 【7「<新しい記事へ 古い記事へ>」を記入】以前、以後だと特に「以後」のニュアンスに違和感がある。
「習慣」で判断
下記の理由からは「よく見ているページ遷移と同じ」という習慣で選択しているのがわかります。
- 【3を選択】左右の位置関係はブラウザの進む/戻るボタンと同イメージ。進む=新しい 戻る=古い の感覚かなあ。
- 【7 「前の記事へ」「次の記事へ」を記入】「◯◯ブログ」をよく見ているのでそれと同じものが一番しっくりきます。
- 【1を選択】よく見るブログがこのパターンだからしっくりくる。
「ブラウザの進む/戻るボタン」と同じイメージというのは、Webサイトならではの習慣で面白いですね。
世間のWebサイトで使われているワーディング
「なめこぱらだいす」では
「判りやすさ」「使いやすさ」を考え、『なめこぱらだいす』では、前後の記事へのナビゲーションを以下のようにしています。
なめぱらPC版では、アンケートの7.(その他)結果でも出てきた「<新しい記事へ 古い記事へ>」を使用しています。スマートフォン版では押しやすさを考慮し、「矢印と記事タイトル」で表現しています。
様々なワーディング紹介
上記で挙げた他にも、各ブログサービス毎に様々な表記が存在します。
- <Prev Next>
- <Back Next>
- <前のページへ 次のページへ>
- <前の日 次の日>
- <(記事投稿日) (記事投稿日)>
- <前の投稿 次の投稿>
- 「<」「>」のみ
- <Newer Posts Older Posts>
まとめ
前後の記事へのページングを考えるときには、最新記事から遷移してくるユーザーだけではなく、ブックマークやSNSのリンク、検索エンジンでの検索結果経由で来るユーザーなども想定しなければいけません。
読む人を「迷わせない」「不快な気分にさせない」為に、曖昧な表現を避け、すべてのユーザーが同じ意味に捉えることができる表現をすることが大切だと思います。
常に快適なユーザー体験を提供出来るよう、細心の注意を払ったサイト制作を心掛けていきたいと思います。