ディレクターにとって、デザイナーへのデザインの依頼方法は、案件のクオリティを高めるための大切なスキルのひとつです。 今回は、一緒に案件を動かすデザイナーに、クリエイティブを最大限に発揮してもらうために踏むべき3STEPをご紹介します。
STEP1 案件の全体概要を共有する
基本的なことですが、デザイナーにデザインを依頼する時は、まず最初にプロジェクトの目的や背景、ターゲットなど案件の全体概要をしっかり共有することが重要です。
例えば、案件概要を共有せずに「楽しげな感じ」など、抽象的な言葉だけでデザインを依頼してしまうのは危険行為です。
「楽しげな感じ」は、ターゲットの性別や年齢などでデザインの方向性がまるで違ってしまうので、プロジェクトで達成したい目的からズレたデザインになってしまう場合があるからです。
最初に案件概要を共有して、必要に応じて「楽しげな感じ」のイメージを、具体的なモチーフや類似サイトを用いて擦り合わせておけば、デザイナーは方向性に悩まず、よりデザインのクオリティを高める作業に注力することができます。
STEP2 修正は指示だけではなく意図も伝える
修正をデザイナーに依頼する場合は、作業ベースの指示だけをするのではなく、「なぜ修正をするのか?」という意図や発生した背景も伝えることが重要です。
例えば、「見出しの色を変更する」といった修正の場合、クライアントの意図が「より目立たせたいから」であれば、デザイナーは色を変更する以外の有効なアイデアを持っている場合が多いからです。
修正例
- 見出しの色を変えずに、他の部分の色をおさえる
- 見出しのサイズを大きくする
- 見出しのフォントを変える
これらのデザイナー側から出たアイデアが、デザインのクオリティを高めたり、作業時間の短縮につながる場合も多々あります。
逆にディレクター側でも、修正の意図を把握することで、その修正によってデザインの整合性が崩れていないか、全体をチェックする癖をつけることができます。
STEP3 ターゲットの視点でチェックする
案件が長期間に及ぶ場合は、目の前の調整や修正を行なう前に原点に立ち返る必要があります。
そういった場合は、最終的にデザインした物を使用するターゲットの視点に立ち戻ってチェックし、ディレクターとして、案件の目的を再確認することが大事です。
- ターゲットの目的は何か?
- ターゲットは何がきっかけでこのデザインを見るのか?
- ターゲットはどのような場所や状況でこのデザインを見るのか?
- ターゲットはこのページの中のどの情報を必要としているのか?
- ターゲットが他の人にこのサービス内容を伝えたくなるか?
などの項目でチェックしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
以上の3STEPをディレクターがしっかり踏むことで、デザイナーとプロジェクトの目的を達成するためのより深いコミュニケーションを生み、デザインのクオリティをより効果的に高めていくことができると思います。
ぜひ活用してみてください。