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UX Days Tokyo主催「コンテキストの理解と実践」UXワークショップレポート

UX Days Tokyo主催「コンテキストの理解と実践」UXワークショップレポート

こんにちは、プランナー川村です。先日2017年5月18日(木)に開催された「UX Days Tokyo」主催の「コンテキストの理解と実践」UXワークショップ に参加してきました。外苑前にある PR TIMES さんのオフィスにデザイナー、エンジニア、ディレクターと幅広い職種の参加者が集まり、セッションとワークショップを交えながらUXについて学びました。今回は、当日3時間で開催された内容の中から、特に勉強になったポイントをピックアップしてご紹介したいと思います。

目次

「コンテキスト」って何だろう?

はじめに、UX DAYS TOKYO主催者の大本 あかねさん、株式会社PR TIMES 山田 和広さんの両氏によるセッションを通じて、コンテキストとは何か、そしてUXとコンテキストの関係性について理解を深めました。
UX DAYS TOKYO主催者の大本 あかね氏、株式会社PR TIMES 山田 和広氏
今回のテーマである「コンテキスト」。日本語に直訳すると「文脈」ですが、そのままではちょっと掴みづらいですよね。セッションでは「前後関係」「状況」「環境」などと言い換えると考えやすいかも、と解説されました。

UX(ユーザー体験)=「ユーザーのタスク + コンテキスト」と分解してみよう

当日紹介されたのが、UX(ユーザー体験)=「ユーザーのタスク + コンテキスト」と分解する方法。

例えばユーザーのタスクが「商品を購入する」だとすると、その達成にあたって影響を及ぼす様々な事柄コンテキストと捉えることができます。そして、その両方を合わせた総合的な体験を「ユーザー体験」と呼ぶ、という考え方です。

当日は、参加者全員で下のスライドを見ながら「コンテキスト」を抽出して発表するワークを行いました。
コンテキストとは何か?
例えば、「デバイスを片手で操作している」「晴れた屋外で」「移動している最中に」「一人でいるときに」といった要素は、すべて「コンテキスト」ですね。

WEBコンテンツの設計となると、ついつい「画面の中をどうするか」に頭が行ってしまいがちですが、こういったコンテキストを理解しておくことで、画面の外側の世界も含めた総合的なユーザー体験を設計することができます。

ちなみに当日「なるほど」と思ったのが、何が「タスク」で何が「コンテキスト」に該当するかについては、柔軟に捉えることも必要、という話。

例えば、テレビを見るというユーザー体験のタスクは、「暇つぶし」だったり「笑いたい」といった不明確なものである場合もある、という話や、あるコンテンツを「VRで見ている」という状況は、コンテキストと捉えることもできるわけで、そう考えると「UI自体」もある意味コンテキストになり得る、という話など。この辺りは、そのサービスにおいてどこがユーザー体験の本質なのか?を踏まえて考える必要があるなと感じました。

7つの切り口からコンテキストを考える

続いて、グループごとに Cennydd Bowles氏 の連載「コンテキストを理解する」 を分担して読み、気づきを共有しました。この連載では、コンテキストの7つの切り口とその考え方が紹介されています。

コンテキスト 7つの切り口

  1. デバイス(Device context)
  2. 環境(Environmental context)
  3. 時間(Time context)
  4. 行動(Activity context)
  5. 個性(Individual context)
  6. 場所(Location context)
  7. ソーシャル(Social context)

この中で特に印象的だったのは「5.個性(Individual context)」について述べられている中の一節。

スマートフォンを常にユーザーと共に、あるいは少なくとも手の届くところに置いていると親しみを感じ、そこにパーソナルスペースを見出します。 (中略) 人が自分の携帯電話との感情的なつながりを築き始めても驚きはありません。それらは、私たちが秘密を打ち明けられるパートナーであり、かつ超人的な力を与えてくれるツールなのです。

一般的に他人にこれ以上近づかれたくない領域を「パーソナルスペース」と呼び、親しい相手ほどその距離は短くなると言われていますが、これがデバイスにも通じるという考え方が非常に興味深かったです。確かに、個人的にもいつも肌身離さず持ち歩いているスマートフォンと、デスクに座って使うPCでは、単に画面サイズやインターフェイスが違う以上に、心理的距離感が違う実感があります。

でも、コンテキストは必ずしも重要ではない。

ちょっと逆説的な感じではありますが、コンテキストは必ずしも重要ではないというのも大切なポイントとして共有されました。

もちろん、コンテキストは考慮すべきものだけれど、例えばそのコンテキストがユーザーの行動に特に影響がないのであれば、あえて考慮する必要はないわけです。また、コンテキストは決して普遍的なものではなく、状況が変われば突然何かのコンテキストの要素が重要になったり、逆に重要でなくなったりすることもあリます。このような前提を理解した上で、プロジェクトに応じてどのコンテキストを考慮するかを選択することが必要ということですね。これは、コンテキストに限らず他の色々なフレームワークにも通じる考え方だなと思いました。

旅行を計画している43歳男性になりきってみる

後半は、下のスライドのストーリーの中から、「タスク」「コンテキスト」を抽出した上で、実際にペルソナになりきって旅行を予約する体験をしながら、UXに関する気づきを得るワークを行いました。
旅行予約のストーリー
「タスク」として挙げられたのは「(諸々の条件にマッチした)旅館の予約」のほか、「候補を見繕って弟に提案する」「親孝行すること」など。後ろの二つはなるほど、という感じがしますね。「コンテキスト」としては「自宅で」「タブレットで」「休日に」「旅行の約1ヶ月前」といった要素が挙げられました。

ちなみに「休日に」という言葉の響きは、なんとなく時間があってゆったりくつろいでいるようなイメージを持ってしまいがちだけれども、実際自分の休日を振り返ると、家事や育児に追われて案外忙しくありませんか?という講師の問いかけには、私自身「確かに!!」と思うところがあり、先入観にとらわれることのリスクに気付かされました。

ペルソナの視点で実際のWEBサイトを体験してみると・・・

「宮城 温泉 バリアフリー」の検索結果
多くの参加者が「宮城 温泉」「宮城 温泉 バリアフリー」などのキーワードで検索した後、豊富な選択肢を期待して大手旅行予約サイトに遷移するものの、「3室(大人2、大人2+子供2、大人2+子供1)」といった細かな人数の条件に加え、「バリアフリー対応」「予算大人2万円」といった条件を求めていくと、マッチする宿泊施設にたどり着けず、時間内の予約を断念するという結果に・・・。特に、検索機能関連のUIで、期待通りの結果が得られずに苦労する人が多いようでした。

そんな中、逆に良いUIとしては「バリアフリー特集」のような特集コンテンツや、バリアフリー対応風呂の大きくわかりやすい写真などが挙げられました。良いUXを提供するためには、UIや機能はもちろんのこと、コンテンツも非常に重要ということを実感するワークとなりました。

良いUXを生み出したければ、学び続けることが大切

ユーザー視点でUXを体感したところで、再び大本さんと、株式会社ねこじゃらし 藤原さんによるセッションでまとめに入ります。
(株)ねこじゃらし藤原氏、UX DAYS TOKYO主催者の大本 あかね氏
最後に強調されたのは、UXについて学び続けることの大切さ。
「今回はUXの基本的な視点を理解したに過ぎません。これからずっと学び続けることで ”アハ体験” する時が来ます!まずはそこを目指してください。」と、自身の体験を交えながら参加者にエールが送られました。

また、UXの勉強法について「料理本を読むだけよりも、料理教室で実践を通じて学んだ方が料理が身につくのと同じように、UXも実践を通じて学ぶのがおすすめ。」とのアドバイスも。その言葉通り、理解から実践までをその場で行い、かつ他者と意見を交わしながら進められた今回のワークショップは、充実した学びの時間となりました。

日本にいながら世界のUXが学べる「UX Days Tokyo」
2015年から毎年春に開催されている、UXのカンファレンス&ワークショップ「UX Days Tokyo」。
世界的に注目されているスピーカーを招き、セッションとワークショップを通じてUXについて深く学ぶことができる機会。次回は2018年3月の開催予定とのこと、楽しみです。
https://uxdaystokyo.com/

また、今後も今回紹介したようなワークショップを各地で開催していくとのこと。
詳細は「UX Days Tokyo」のconnpassページをチェック!
https://uxdt.connpass.com/

UX Days Tokyo主催「コンテキストの理解と実践」UXワークショップレポート

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この記事を書いたメンバー

川村 佳乃 プランナー/ディレクター

自分たちが生みだすモノや仕組みで、誰かをもっとワクワクさせたい。
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