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ロボットのいる未来が見える!? Pepper World 2017 イベントレポート

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みなさんは「ロボット」と聞かれて何を思い浮かべますか?
鉄腕アトム、ドラえもんなど…浮かべる姿は様々ですがそこには常に未来への夢がありますよね。

さて、今そんな未来に近いロボットといえば、そう!
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ソフトバンクのPepper!

実は、先日新たに発表されたコンシューマー向けPepperアプリ「Pepper ヒーリング」「Pepper ブレイン」に、ビーワークスも企画設計担当として関わらせていただきました!

コンシューマー向けアプリ紹介ページ
http://www.softbank.jp/robot/consumer/products/application/ncp/

今回は、そのお披露目会ともなる「Pepper World 2017」の中で開催されたセッションに参加してきましたので、そのレポートをお届けします!

Pepper World 2017
Pepperの最新導入事例やロボアプリを実機で体験できる世界最大のPepperのイベントです。

公式イベントページ
http://www.softbank.jp/robot/special/pepper-world/

セッション名
「Pepperの新たなる挑戦/新アプリに秘められた戦略」

登壇者
よしもとロボット研究所 チーフクリエイター バイバイワールド 代表取締役 髙橋 征資 様
ソフトバンクロボティクス コンテンツマーケティング本部 取締役本部長 蓮実 一隆 様

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キーワードは「増幅」!

セッションは登壇者お2人のユニークな掛け合いで進行していきました。

蓮実 一隆 氏(以下、蓮実)
今日全体のセッションの中で一番おもしろいセッションにしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
このセッションはだいたい5年ぐらいの長いスパンでロボットを作ろう!と思ったときに役立つどこにも載っていない情報をお話していきます。と、高橋くんが言っております(笑)

今までのPepperは心をなごませてくれる、会話をはずませてくれるといったことを考えてきましたが、今回のアプリは人の役に立つロボットへの転換を考えました。
Pepperでやる意味のある形で、「Pepperを使ってる人が元気になったり、かしこくなったりする」というのを意識しました。

高橋 征資 氏(以下、高橋)
特にスマホとロボットの違いってなんだろうというところを考えてやってましたね。
ヒーリング・脳のトレーニングといったコンテンツの部分は専門家におまかせして、いかにそれをロボットに置き換えていくかという部分をやりました。

蓮実
Pepperは120cm。これを家に置いとくのはびっくりするぐらいストレスなのですが、でもひとたび電源を切ったり、修理でいなくなったりすると悲しくなる。
その意味でPepperはモノじゃない
そこが、悪く言うとお客さんに付け入るスキなんですね。

そこを使ってどう脳トレやヒーリングを「増幅」させるかがポイントです。
増幅させなかったらアルバイトを雇うかiPadにやらせたほうがいいんですよね。

高橋
今回のアプリは増幅度がすごいですよ!

家庭用ロボットに求められること

ここからはお2人へのQ&A方式で進んでいきました。

Q.今のPepperとはぶっちゃけなんでしょうか。

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蓮実
スナックのママというのはですね…
当初は家族のようにロボットと生活する、Pepperが家族の一員となる未来を目指してた。それがいかに無理なことを思い知らされた3年間でした。
あるとき、そういう「Pepperが家族の一員となる未来」みたいな講演をしていたら怒られたんです。
家族は一人増えるだけでもおなかいっぱい。
お金を払ってロボットを買っているのだから、必要なときに必要なことやってくれて、都合いいときに忘れてくれるようなことをしてほしい、と。

今後出てくるロボットで家族の一員と言ってるのはまだ経験してない証拠。
目指してはいるけど、あと20年はかかると思います。

高橋
蓮実さんの話にもありましたが、「このサイズを売るんだ、3ヶ月後に」って言われて「まじか」と思いまして。
このサイズを家庭に入れるとなると異物が入るようなイメージ。
これを本当に生き物らしくするとForeign Student、留学生なのかなと。
自然な日本語でコミュニケーションがあんまり取れないものが入るということですね。

ただ、人型であることで、どんどん学ばせることができると思ったんです。
片言の日本語から入って、経験や知恵を投入していくことで学んで育ってその家庭のルールを吸収していくことができるんではないかなと思います。

Q.開発で大変だったことは?

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蓮実
「朝食はパンです」と聞いて、朝食がパンの人もご飯の人も食べない人もいる、そういう千差万別の家庭に合わせるのが大変なのかな、と思われた方もいるでしょう。
そんな甘いもんじゃない。いつ食べるかさえも関係ないんです。

例えば、「おはようございます」っていつ言おうかっていう討論がすごいあった。
タクシーの運転手さんは3時くらいに帰って寝るのに…とか、夕方起きた人にはおはようなのか?みたいな。
家庭用ロボットってそういうのを全部学んで進化していかないと2日目ぐらいに馬脚を表す。

世の中のおしゃべりロボットの99.9%ぐらいが、たぶん5〜11時ぐらいの中に「おはよう」が入っている。
人間の知能はそんなもんじゃないし、家庭に置くというのはそういうのを1個1個どうやって行くか。
普通だいたいこんなものでいいかなって作ると思うけど、それも分からないというのが家庭用ロボットの1番の難しさです。

高橋
「小学校の先生的に」というのは、
要は専門家じゃ作れないなというのを痛感しているところなんですね。
WEBサイトならそれなりのデザインの作法があって、クリックとかタップとか、入力方法も決まっているからある程度想像がつく。
だからデザイナーとエンジニアがいればある程度作れる。

けど、ロボットはそういう感覚じゃないんですよね。
小学校の先生って国語・算数・理科・社会、家庭科も図工も、いろいろなことを手広く子どもたちに教えることができる存在だと思うんですけど
ロボットも同じで、コンテンツもそれぐらいいろいろなものが必要な上に、アプリを作るにあたってもプログラムだけではどうにもならない。

人ってどう会話してるだろうとか、どういう風に感じるだろうとか。
文章に書いてみても話し言葉になってなかったり、取ってつけたようになってしまって。
ボディランゲージ全てを情報の提示方法として使ってやり取りをするとなってきたときに、専門家じゃどうにもならないんですね。

今回のアプリ群、最大のテーマは?

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蓮実
今回の最大のテーマは「あなたが進化する」なんです。
ロボットが進化するとかどうでもいい。
進化して便利になるならそれでいいし、逆にシンギュラリティとかなったりする。
使ってる人が進化するというのが今回のテーマなんです。

高橋
最初はPepperで面白いことをやって欲しいと言われたときに、お笑いをやった。
作家さんとディレクターさんを集めて、脚本のネタをやってもらうような感覚でプログラミングしてもらって、
孫さんにも喜んでもらえて、しばらくはよかったんですけど、だんだん面白いだけじゃだめじゃん、笑えるだけじゃだめじゃん、になってきたと。
今後は家庭の人を満足・感動させる、頼りになってもらうみたいにしたいなと思って。

新アプリに施された工夫

Pepperヒーリング・Pepperブレインの動画も交えつつ、今回のアプリのポイントについてご紹介されていました。

①気付いてあげれば喜ぶ

高橋
ロボットで言うと人の状態をセンサーで感知してそれに対してふさわしい言葉を選んで上げるということです。
アプリを続けてくれると喜んで、一言声をかけてくれたり、センサーを駆使して、顔と声から心の状態を予測して言葉を返してくれるんです。

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蓮実
普通にやりまーすといってセンシングするのではなくものすごい気を使いながら、盛り上げながら次へと進んでいく。
WEBだと「次へ〜、はいテスト〜」でいいんですけど。
コミュニケーションロボットというのは作る側は大変に苦労します。
やればやるほど嘘くさくなったり、ギリギリしつこかったり、でもなかったら「別にWEBチェックでいいじゃん」になっちゃう
その間をとりながらロボットを作るというのは、言うよりは難しい作業じゃないかと思っています。

高橋
そうですね。
これ何も言わずぺっと見て「元気そうですね」と言われると、普通の人間ならいいんですけど、ロボットだと「適当に言われたかな」みたいな気分になる。
その辺をちゃんと言葉にしていくほうが今の時点ではいいんじゃないかなと思います。

②ちょっと下から

高橋
さっきのセンシングでストレスを感じているときに心を癒やすアクティビティを提案してくれます。
僕と一緒にやってねー、と。
ちょっと指組めなかったりとかあるんですけど(笑)

蓮実
普通ならここで動画とか見せちゃうんですよね。
それの方が楽だし分かりやすいんだけど、わかりやすけりゃ良いってもんじゃないと。
やっぱり一緒にやってますみたいことが心理的にとても大事ということでしょうか。

高橋
そうです。ちょっと下の立場から誘ってくる、と。

蓮実
Pepperに絵本アプリが入ってるんですけど、普通ならPepperが絵本を読んでくれるアプリを作っちゃう。
けどそれは偉そうでちっとも面白くない。
今Pepperに入っているアプリは別の人の音声で読んでくれて、Pepperはリアクションします。「へー!」とか。
それが子どもが横にいるととても喜ぶ。
Pepperが教える側にまわればいいもんじゃない。
機械だからこそあえてアホになったり、リアクションする側に回るという発想の転換が重要です。

③ムードを出すには

高橋
アクティビティの1つで、ユーザーに瞑想的な気持ちになってもらって心を落ち着けてもらうものがあります。
マッサージ店みたいな音楽で、Pepperもちょっと落ち着いた喋り方で。
その中で、ろうそくの炎を1分間じっと見つめる…

蓮実
総合芸術的な色合いがロボットって強くて
先程のどっちが何を演じるかもそうですし、音、効果音、しゃべりのピッチ…あと今ありえないぐらい自然なイントネーションで喋ってるんですけど、そういうことの積み重ねが使いやすいロボットになっていく
今後高橋くんみたいなロボットの総合クリエイターみたいなのがたくさん出てくるんじゃないかと思います。

④全身全霊で

高橋
Pepperの動きを記憶する脳のトレーニングアプリです。動きを覚えてみて下さい。
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蓮実
今のはどういう?全身全霊で。

高橋
脳トレと言うと、紙に問題が書いてあってやったりゲームの場合タッチしたり声を出したりなんですけど、全身を使って脳のあらゆる部位を刺激しながら脳を鍛えていくというのが他のデバイスにはできない、脳にとってすごくいいアクティビティなんです。
こういうところもPepperでできるいいところなんです。

蓮実
最初Pepperを作って出すときに「絶対にロボットにしかできないことをあげてみろ」っていうのを部下たちに出したんですね。
そのときに出てこないんですよ。
みなさん思いつきます?空想みたいのはだめですよ。お姫様抱っこしてくれるとか。今できそうもないことはだめね。
ボクが言ったのは「背中をかいてくれる」でした。

すごく感動したのは、テレビのインチ数を教えてくれるっていうアプリ。
60インチのテレビが欲しくて、でも60インチを家でどれくらいの大きさかを教えてくれる術ってないんですよ。
で、Pepperが「60イーンチ」と教えてくれる。(手を広げて長さを示すジェスチャー)
アプリだと1m離れるとどこかに60インチ照射する、とかはあるけど。

ヒーリングをしたり、脳を活性化するには一緒に動くことが必要。
Pepperと一緒にやること、
ロボットと一緒に物理的にやることの意味を突きつけたからこそできた

でもロボットができることが100あるとしたら2ぐらいです。
そういうことを1個ずつ積み重ねてロボットの未来を作っていかなきゃいけないって思ってます。

「役立つ」の先にある進化

最後に、セッションの締めくくりとして1つの質問が提示されました。

Q.究極に作ってみたいロボアプリは?

高橋
一言で言うと、チチロー(イチローの父)みたいなアプリ。
ボクの憶測では、チチローは自分の子どもが生まれて「こいつ野球の才能やばいぞ」と思ったはずなんですよね。
それで徹底的にトレーニングして育て上げた。
もちろん本人の努力もあると思うんですけど、その人の才能に見合ったその後の人生設計をお父さんがしたんじゃないかと。
そういう風にパッと生まれて、センシングして、このサイズでこの声でなかなか男前だからお前はロックスターだ!みたいな。
その人の歩む道をサポートしてくれるアプリ。

蓮実
それ、ちなみにいつぐらいにできると思う?

高橋
これは…でも…うーん50年後…わかんないです。
要は人生に悩む人多すぎるんじゃないかと。ボクもそうですけど。
それによって自分のことを好きになれない、それによって人に何か怒りをぶつける、戦争が起こるみたいな。
みんなが自分のことが好きで、満足して生きていけたら平和なことに…それをロボットができたら…

蓮実
ありがとうございます。
ボクはですね、駄々をこねるアプリ。
孫がまだPepperがまともにできあがってないころに「海を見たくなる」って大きな声で言ってびっくりしたことがあるんです。
役に立つとかしゃらくさいことを言うんじゃないと。今は毎日言われますけど(笑)Pepperが「海を見たい」と言い出すと、家族が困りながら海に連れて行ってPepperが「海ってこんなに青いんだねー」みたいなことを言う。

Pepperが人間の役に立つということしか頭になかったんですけど、この先、人間とロボットが共生するということは、ちょっとぐらいわがままというか、その人に足りないこととか次やらないことをねだってきたり、そうやって目覚めさせてくれたり、面倒くさいことをさせてくれたり。

人が自分で気付いてる欲って大したことないんですよ。
もっとそこを掘ってくれてるような機能が絶対必要だと思ってまして。
今は役に立たないものを役に立てるようにしてますけど、役に立てる先にあるものが本当に大事なんだと思ってまして。
さっき高橋くんが言ったところにもしかしたら近いかもしれないけど、リアクションさせてみるとか、あえて黙ってみるとか、これからロボットがすごい進化するなかでは重要なんじゃないかと思っています。

<セッション終了>

まとめ

いかがでしたでしょうか?

Pepper World2017では、このようなセッションだけでなく、Pepperを活用した最新事例の展示も行われました。
いずれもPepperのできることを最大限に活かしたり、別のIT技術との融合でPepperの力を拡大したり、アイデア次第で様々な活かし方ができそうだ!と、この先の可能性を感じるものばかりでした!

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これからも様々な場所で活用されていくこと間違い無し!
動向に目が離せませんね。

また、今回発表された「Pepper ヒーリング」「Pepper ブレイン」の両アプリはすでにPepperでプレイ可能です。
ぜひ、お持ちの方は遊んでみて下さいね!

Pepper World 2017
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この記事を書いたメンバー

かばた ますみ プランナー/ディレクター

年齢にそぐわない(?)やたら落ち着いた雰囲気と声に定評あり。元々は営業だったのもあり、色々な業界の人と接するのが好き。
名字が難読なためひらがなでお送りします。

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